


昨年の夏は異常に暑かった。全国各地で最高気温を塗り替えた。体温より高い気温が続出し、日本の観測史上の最高気温はこれまで2013年の高知県四万十市の41.0度だったが、昨年の7月23日、41.1度を埼玉県熊谷市で記録した。
振り返ってみると、毎年毎年暑くなってきている気がする。40年くらい前、私が通った静岡の小学校にクーラーなどなかった。授業中に下敷きをウチワ代わりにした記憶があるが、それでも授業を普通に行っていた。更に我が家にもクーラーがなかったが、扇風機で朝までぐっすり眠れた。
東京で生活し始めて30年以上経つが、この10年間くらいは夏にクーラー無しでは眠れない。家でも会社でもクーラーが無い夏の生活など考えられない。私はマンションの6階に住んでいるが、そのマンションのエレベーターにはクーラーがついてなく、たった6階まで行く時間ですら汗ばむ気がする。
はたして今年の夏も暑いのか!?実は先週末、野球をしていた息子が熱中症で倒れた。幸い軽い熱中症であったので、水分補給後15分位で意識がしっかり戻った。倒れた時の気温は25度くらいだったが、運動量に比べ、水分補給が足りていなかったように見えた。こんなことで今年の夏、大丈夫なのか!?
昨夏は連日連夜、ニュースなどで熱中症に注意するように呼び掛けていた。ある暑い日中、テレビを見ていたら、「ピー、ピー」という音と共にニュース速報が流れた。地震か何かと思い見ていると「本日は異常な暑さのため熱中症には十分気を付けてください。」という速報が流れ、ビックリした。
熱中症は、高温多湿の環境に身体が適応できなくなって表れる症状だ。目まいや火照り、吐き気などから意識障害など重篤な症状まであり、死亡するケースもある。厚労省の発表によると平成28年度には600人以上が熱中症で亡くなっている。
近年で一番多く亡くなったのが2010年の約1700人。この年以降、明らかに熱中症で亡くなる方が増えている。2010年は猛暑と言われた年だが、昨年はそれ以上に暑かった。
体感的には日本の温暖化はかなり進んでいると思う。しかし気象庁の発表によると、この100年で日本の平均気温は1.1度しか上昇していない。個人的には約40年前の小学生の時と今を比べると3~4度くらい暑く感じる。熱中症対策のドリンクや飴、タブレットがこの数年で増えていることを見ても、3~4度くらい暑いのではないだろうか。
気象庁がいうように1.1度程度しか平均気温が上昇していないとして、2010年ころからこれだけ熱中症が増えたのは気温の問題だけではない気もする。そのもう一つの要因は、人の軟弱化だ。
昨年のある日、私は少年野球のグランドに一日中いた。朝から30度を超えていて、ヤフーの熱中症指数はマックスで、「今日は一日涼しい室内で過ごしましょう」であった。そんな日でも少年野球は行われる。上級生11名が参加していたが、最初のランニングだけで3名が目まいや吐き気などで離脱した。常日頃、運動をしている彼らでも離脱するのだから、日頃、運動をしていない子供であれば尚更だろう。
私が小学生で少年野球をしていた時や高校でラグビーをしている時に、どんなに厳しい(不条理)運動をしても、離脱した子供の記憶はあまりない。
私たちが子供のころは、スポーツの最中に水を飲むとお腹が痛くなるなどパフォーマンスが落ちるというのが常識だったので、練習中や試合中に水分を採ることが許されなかった。「部活あるあるネタ」によく出てくるが、練習中、指導者の目を盗んでバケツの雨水を飲んだり、「口に砂が入った」と口をゆすぐふりをして水を飲んだりしたものである。現在では考えられない常識である。よく死ななかったなと思う。
体温調節が弱い子供や高齢者は今年も熱中症対策をしてほしい。暑い日は無理をせず、室内で細目に水分をとり、出来ることなら塩分やミネラルを摂る。今は熱中症対策のドリンクや飴も売っている。
10年くらい前は熱中症対策のドリンクも飴も見かけなかった。地球温暖化なのか、人が軟弱化したのか分からないが、間違いなく熱中症は増えているので気を付けましょう。
<筆者>NPO法人日本健康食品科学アカデミー 滝浪 周