消費者庁の機能性表示食品制度は、2015年4月に施行、2年目を向迎えた今年は、受理品目も順調に増え、2016年11月4日時点で490品目になりました。業界関係者によると、届け出残数は400品目を超えるものと推定しており、受理品目が500を超えるのは間もなくです。
機能性表示食品制度のさらなる整備に向け、消費者庁による「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」が、1月から10月まで10回にわたり行われ、このほど終了しました。
これにより来春には、関与成分が明確でない食品などの商品も機能性表示食品に加わる予定です。検討会結果を受けた商品が上市されるのは、ガイドラインの整備が行われたのち、来年春ごろになると思われます。
関与成分が明確でない商品の候補には、青汁、ローヤルゼリー、プロポリス、その他が上がっています。
しかし、新たな機能性表示食品制度がスタートするものの、課題も残りました。それはビタミン・ミネラルの扱いです。ビタミン・ミネラルについては、検討会による議論の結果、機能性表示制度に追加しないことになりました。
米国ではサプリメント市場の25%以上を占め、市場を牽引するビタミン・ミネラル。我が国では、過剰摂取の懸念、栄養政策との整合性等の観点から、健康食品産業協議会など4団体が要望した機能性表示食品としての追加は認められませんでした。
機能性表示食品で新市場の創造に取り組むDgS(ドラッグストア)業界も動き始めました。
来年中旬までに、800品目ぐらいになれば、DgSでは棚割りが可能です。DgS企業各社は、年内から来年にかけて新商品構成、棚割りの準備に入る予定です。また、DgS業界では、年内から来年にかけて、機能性表示食品の啓発広報活動も開始します。
機能性表示食品で新たな市場を創造するためには、一般品・健康食品・製薬・通販などの業界が協調して、取り組むことが不可欠です。
行政、業界、企業などの連携で、機能性表示食品の利用者である生活者への情報提供を行う、人材育成が必須であることは言うまでもありません。
筆者:NPO法人日本健康食品科学アカデミー 大川 善廣