「日本ヘルスケア協会活動方針発表会」が2017年9月1日、2日の2日間、東京大学で開催され、参加者は、2日間で1000名を超えました。同大会には、DgS(ドラッグストア)業界を始め、製薬・食品・健食・介護、流通卸、病院チェーン、ファイナンス企業、スポーツ施設など、業界、業態を超え、あらゆる分野からヘルスケアビジネスを展開する関係者が集いました。
年次大会終了後、協会事務局には、ヘルスケア産業への新規参入を検討する住宅、エネルギー、IT企業、システム開発企業などから問い合わせがきているといいます。
日本ヘルスケア協会(JAHI)は、予防・治療・介護を求める企業や個人に対して、科学的根拠に基づいて、要望、希望などをわかり易くまとめ提供することによって、ヘルスケア産業の発展に寄与していくことを目的に、設立されました。
「日本ヘルスケア協会」は、産業界を横断した「日本ヘルスケア産業協議会」と学会を横断した「日本ヘルスケア学会」によって構成されます。同産業協議会と同ヘルスケア学会が連携、活動を通じ、日本再考戦略で謳われている「健康寿命の延伸」と「ヘルスケア産業の育成」に取り組んでいく方針です。
9月1日に行われた口頭発表では、「健康サポートドラッグ推進のために必要なコミュニケーション」(帝京平成大学薬学部・井手口尚子教授)を始め、「『食と健康』新分類と新市場を目指した取り組み」(国分グループ本社ヘルスケア統括部佐々木誠)「新しい食と健康マーケットの可能性と拡大への取り組み」(流通経済研究所主任研究員加藤弘之)など、9つの発表が行われました。
『食と健康』新分類では、食の新分類として、まず➀保健機能食品、②スマイルケア食品、③ヘルスケア食品、④医薬部外品に大分類、この4つをもとに、中・小分類が示されました。
「『食と健康』の新分類による新市場創造を目指した取り組み」の内容は、JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)が「街の健康ハブステーション構想」の実現を目指し、11月から神奈川県横浜市内のDgS2店舗で始めるカテゴリー分類、品揃え、棚割りなどに生かされます。
機能性表示食品とともに、今後、DgSが期待を寄せるヘルスケア食品は、リスク軽減食品、運動支援食品、スポーツフード、ヘルスサポート食品(いわゆる健康食品)に分類。また、運動支援食品として、シニアをターゲットにしたプロテインによる店頭での新市場創造への取り組みが示されました。
昼食休憩を利用したポスターセッションは、「機能性表示食品の課題と可能性」、「ヘルスケアの職能に関する研究会活動報告」など31のテーマで、行われました。
筆者:NPO法人日本健康食品科学アカデミー 大川 善廣