多くの人がダイエットにチャレンジしたことがあるだろう。最近では、テレビでも有名人が痩せたというダイエット関係のコマーシャルを見かける。
美しいボディーラインを目指す方、健康のために痩せたい方などダイエットの目的も目標も人それぞれ。ただ結果として体重や体脂肪が減らなくてはダイエットの意味がない。
「一番確実に痩せる方法は?」
と聞かれれば、
「食べないこと!」
と答えるだろう。
ただ確実に痩せるが、健康上、絶対にお勧めできない。では食べる量を減らせばということになるが、それが出来ていれば太らなかったと思う方も多いだろう。食欲を我慢するのはストレスが溜まり、やはり健康に悪い。
ではエクササイズをしてダイエットはどうだろう…ジョギング、ウォーキング、ストレッチ、水泳、ゴルフ、ジムなど色々あるが、実はそれほどカロリーを消費しない。
例えば、ゆっくりジョギングを30分した場合、体重や性別にもよるが、消費されるカロリーは約200kcalである。
「運動したら喉渇いた~」と言って缶ビールでも飲んでしまえば、意味がなくなる。「運動したらお腹がすいた~」と言っておにぎりを1個食べてしまえば、意味がなくなる。
努力の割には報われないダイエット方法に思える。
時間がなく、食生活が乱れがちな現代人にとって、一番簡単で、健康的で、持続できるダイエット方法はサプリではないだろうか。
ただサプリでダイエットをする場合、そのダイエットサプリがどのような働きをし、体重が減ったり、体脂肪が減るのかを知っておかなくては効率が悪かったり、無駄になったり、更に健康被害を起こす可能性すらある。
サプリでダイエットをするのであれば、まずそのサプリの働きを把握することが重要である。現在販売されているダイエットサプリの働きを大きく分類すると以下の4つの働きに分けられる。
・摂取するカロリーを減らし、満腹感を持たせる
・腸で吸収される前にカロリーの元(糖や脂肪など)を分解
・腸で吸収されるカロリーをブロック
・代謝をアップし、体内の糖や脂肪を燃焼
「置き換えダイエット」と言われるダイエット方法。普通の食事の代わりに、水や牛乳などを混ぜてつくるカロリーを抑えたゼリーやシェイク、ドリンク、またはクッキーなどを食べる。
例えば、普通の食事であれば約700kcal摂取するが、置き換えダイエット商品であれば200kcal以下に抑えられること多い。700kcal-200kcal=500kcalの摂取を抑えることが出来れば、ゆっくりジョギングを1時間以上したことになる。
更に置き換えダイエット商品の多くには、健康や美容に配慮し、ビタミンやミネラル、アミノ酸などの健康成分、コラーゲン、ヒアルロン酸などの美容成分が含まれている。ダイエットしながら健康、美容も手に入れられる可能性がある。
欠点は…お腹が空く可能性あり。
☆よく使われる素材
ペクチン・サイリウム・コンニャクイモ・チアシード・おから
最近になって増えてきたダイエット商品。食べた糖質や脂質を腸で吸収される前に分解してカロリーオフしてしまう方法。
酵母菌は私たちが食べた糖質や脂質を腸内で食べ、発酵させ、自分が活動するエネルギーと水と炭酸ガスと有機酸を作り出す。つまり私たちお腹の中で、吸収される可能性があるカロリーを勝手に使ってくれるのだ。
サプリや医薬部外品にビール酵母という素材もあるが、ビール酵母は酵母菌が死滅しているので、このダイエット方法とは関係ない。
原理的に同じものにサナダムシダイエット法というものがある。サナダムシとは私たち腸内に寄生する虫。現代人にはあまり見られないが、以前の日本人には身近な存在だった。ある博士も推奨しているが、サナダムシを腸内に故意的に住まわせ、余分な糖質や脂質を食べてもらうというものだ。
サナダムシは気持ち悪いし、貧血など危険も伴いそうだが、昔から有用菌として私たち身近にいた酵母菌は安心出来る。
欠点とまで言えないが、酵母菌が生きているので、熱いものと一緒に摂らない方がよい。
☆よく使われる素材
生きた酵母菌
腸で吸収されるカロリーをブロックするダイエット方法には、以下の2つの方法がある。
私たちは食べたものを消化酵素で、吸収可能な大きさまで分解して腸で吸収する。1.は糖質を分解する消化酵素の働きを阻害して、腸での糖質の吸収をブロックする。
2.は食べた糖質と脂質を吸着して便として外に出すことで吸収をブロックする。
欠点は、分解を阻害するので消化が悪くなり、また吸着させることにより、多く摂取すると便がゆるくなる可能性あり。
☆よく使われる素材
1.の糖質分解阻害
白インゲン豆抽出物・サラシア・ギムネマ・桑の葉・グァバ葉
2.の吸着
ユーグレナ(ミドリムシ)・食物繊維
ダイエット商品の中で一番多いタイプだと思われる。血液の流れを良くしたり、筋肉をつけたり、細胞、酵素、ホルモンなどを活性化させたり、とにかく体内の代謝をアップさせることで糖や脂肪の燃焼を促すダイエット法。
40代以降に太りやすくなるのは、体内の代謝酵素が少なくなり、カロリーを消費し難くなるからだ。
☆よく使われる素材
レシチン、フォースコリ、植物酵素、BCAA、ラクトフェリン、オルニチン、ガルシニア、αリポ酸、カルニチン、ウコン、生姜、カプサイシン
時間がなく、食生活が乱れがちな現代人にとって、一番簡単で、健康的で、持続できるダイエット方法はサプリだろう。
ダイエットサプリには、大きく分けて4つの働きがある。
同じ働きのサプリを何種類も飲むよりは、違う働きがあるサプリを何種類か組み合わせた方がダイエットには効果的だ。
例えば燃焼系のガルシニア、αリポ酸、フォースコリの組合せを飲むよりは、ガルシニアにカロリーカット系のミドリムシと分解系の酵母菌を組み合わせる方が効果的だ。
ダイエットサプリの働きを知り、自分にあったダイエットサプリを選びましょう。
<筆者>NPO法人日本健康食品科学アカデミー 滝浪 周