前回の「シリーズ:機能性表示食品とは①」では、機能性表示食品制度の始まり、機能性表示食品とはどのようなものなのか、どのように登録するのか、などに触れた。
今回はシリーズ第2回目。
我が国の機能性表示食品制度のお手本となった米国の「ダイエタリーサプリメント健康教育法」(DSHEA)。ある特定の成分が含まれていれば、サプリメントでも機能性が表示できる。
その法律の認知、普及のために、マスコミも積極的に支援した。「ニューヨークタイムス」、「ワシントンポスト」、「デンバーポスト」、「ビジネスジャーナル」、「USA TODAY」などのメディアがサプリメントについて、積極的に報道した。
また、サプリメントの開発・販売企業も、サプリメントの展示会などにも出展、露出度を増やすことにより、生活者への認知も進み、市場が拡大した。
米国はサプリメントの機能性表示に関し、進んでいる分だけ、安全性には厳しい。
「サプリメントの製造・包装・表示または保管を行う者は、FDA(米国食品医薬品局)の cGMPに従い製品の品質と安全性を確保しなければならない」としており、これを義務付けている。
FDAは製造施設の査察を行い、米国ではcGMPを取得していないサプリメントは、販売禁止措置が取られている。(cGMPは、日本のGMPよりも厳しいといえる安全基準に基づく製造・品質管理手法)
一方、認知、市場拡大には、米国立衛生研究所(NIH)のサプリメント関連研究予算の有効的な活用も大きいといわれている。
サプリメント産業の成長に伴う市場拡大とともに、現在、NIHの予算は、日本円で300億円を超えるまでに増額されている。米国のサプリ市場は、現在、日本円で3兆2000億円まで拡大している。日本のサプリ市場の約3倍である。
機能性表示食品の利用者にとっての利点をここで考えてみる。
機能性表示食品は、セルフメディケーションをより具体化し、自己責任が問われる制度ともいえる。
店頭ルートで機能性表示食品を生活者に提供するメーカー、問屋、DgS(以下ドラッグストア)、スーパーなどの対応にも大きな変化が生まれる。
<筆者>NPO法人日本健康食品科学アカデミー 大川 善廣